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    【開発背景】
    日本大学の学生による衛星開発チームは既に2006年に「SEEDS-I」,2008年に「SEEDS-II」,2014年に「SPROUT」という3機の超小型人工衛星を作成し,学生の宇宙工学教育のみならず,アマチュア無線家一般の方々や高校生以下の子供たちへの宇宙工学/利用の啓蒙,海外の研究者などとの技術交流に貢献してきました(1機目の「SEEDS-I」はロケットのエンジントラブルにより軌道不到達).
    日本大学もそうですが,近年,超小型人工衛星を開発し,打ち上げる団体(大学・企業等)は増加しています.その結果,各衛星のミッションは高度化,多様化しており,それに伴って通信データ量は増加傾向にあります.そんな時,日本アマチュア衛星通信協会「JAMSAT」の方々から,比較的高速かつ低送信電力での通信を可能にする”π/4 shift QPSK送信機”,通信速度が可変である”FSK送信機”,アナログデータ中継や,電解強度測定が可能な”リニアトランスポンダ”という3種類の通信機を開発中である,という情報をいただきました.そこで,日本大学で開発した超小型人工衛星に,それらの通信機を搭載し,軌道上実証をしましょう,とJAMSATの方々に提案したところ,快く承諾してくださり,日大&JAMSATの共同開発で「NEXUS」という衛星を作る運びとなりました.
    加えて,近年の超小型人工衛星には,地球撮影や,ミッション評価用に小型のカメラが搭載されることが多いですが,現在市販されている超小型衛星用カメラモジュールは,質量やサイズが大きく,解像度や画像処理機能が限定されているものが多いため,様々なミッションに適用可能な,高汎用性のカメラモジュールの需要が高まっています.このような背景から,「NEXUS」には独自開発した高汎用性のカメラモジュール「N-CAM」を搭載しており,様々なパラメータを変更した画像撮影が行えるようになっています.
    「NEXUS」は,上記の4つのミッション機器(”π/4 shift QPSK送信機”,”FSK送信機”,”リニアトランスポンダ”,”N-CAM”)を全て1Uサイズ(1辺約10cm立方)に搭載し,軌道上実証することをミッションとしています.また,実証した機器は,他の超小型衛星開発機関に販売し,今後の超小型衛星のミッションに利用していただこうと考えています.(2018年12月11日更新)