/

    ミッション概要

    本衛星のミッションは,

    1. π/4 shift QPSK送信機
    2. FSK送信機
    3. リニアトランスポンダ
    4. カメラシステム
    の宇宙動作実証です.これらのミッション機器について打ち上げから約1年間を通じて動作実証を行います.そして,これらが従来のCubeSat搭載用のアマチュア無線通信機や小型カメラに比べ実用性が高いことを示し,広く社会に展開することを目指しています.

    具体的なミッションは,以下に示す7つです.

    1.π/4 shift QPSK送信機の動作実証

    π/4shiftQPSK送信機を宇宙で動作させ,地球局にて送信機が出力したデータをダウンリンクし,復調します.送信機から出力するデータは,あらかじめ通信機に設定されている評価用データを用います.




    2.FSK送信機の動作実証

    FSK送信機を宇宙で動作させ,地球局にて送信機が出力したデータをダウンリンクし,復調します.送信機から出力するデータは,あらかじめ通信機に設定されている評価用データを用います.




    3.π/4 shift QPSK送信機の実用性を示す

    π/4 shift QPSK送信機が,従来の通信機(※1)よりも正味の通信速度(※2)が速く,実用性が高いことを示します.実用性を評価するために,データダウンリンク時の軌道・気象条件などを記録しておき,評価時には環境条件がそろったもの同士を用いて比較します.
    ※1:従来の通信機:これまでのCubeSatに多く用いられてきたAFSK変調(1200bps)や,GMSK変調(9600bps)でデータを出力する通信機.本衛星では,バス通信機のことを指す.
    ※2:正味の通信速度:ダウンリンクデータ量を通信時間で割った値

    4.FSK送信機の実用性を示す

    FSK送信機が,従来の通信機(※1)よりも正味の通信速度(※2)が速く,実用性が高いことを示します.実用性を評価するために,データダウンリンク時の軌道・気象条件などを記録しておき,評価時には環境条件がそろったもの同士を用いて比較します.
    ※1:従来の通信機:これまでのCubeSatに多く用いられてきたAFSK変調(1200bps)や,GMSK変調(9600bps)でデータを出力する通信機.本衛星では,バス通信機のことを指す.
    ※2:正味の通信速度:ダウンリンクデータ量を通信時間で割った値

    5.リニアトランスポンダの動作実証

    リニアトランスポンダを宇宙で動作させます.地球局より145MHz帯で音声データをアップリンクし,衛星内部のリニアトランスポンダで435MHz帯に変換された音声データをダウンリンクします.アップリンク音声は,CW,SSBを用います.


    6.カメラシステムの実用性を示す

    解像度や画像形式・画像効果を幅広く変更可能なカメラシステムを用いて地球を撮影します.撮影後,衛星から地球画像を送信し,地球局にて画像データをダウンリンクします.





    7.軌道高度約500kmにおける145MHz帯の電界強度マップの作製

    リニアトランスポンダに搭載されている145MHz帯の電界強度測定機能を用いて,衛星周辺の電界強度の状態を調査します.得られたデータを基に,世界中の145MHz帯の電界強度の状態を示す,電界強度マップの作成を行います.電界強度マップのイメージを以下に示します.



    参考:Amateur Radio -PEOSAT “UWE-3”
    URL:http://www.pe0sat.vgnet.nl/satellite/cube-nano-picosats/uwe-3/



    以上を踏まえ,サクセスクライテリアは以下の様に設定しました.

    ミニマムサクセス


    ミッション1:π/4 shift QPSK送信機の動作実証

    衛星からミッション評価用データを送信し,地球局にてそのデータを復調できた段階で達成とします.


    ミッション2:FSK送信機の動作実証

    衛星からミッション評価用データを送信し,地球局にてそのデータを復調できた段階で達成とします.

    フルサクセス


    ミッション3:π/4 shift QPSK送信機の実用性を示す

    π/4 shift QPSK送信機を用いてHKデータや画像データなどをダウンリンクし,運用終了後,通信時間とダウンリンクデータ総量から正味の通信速度を算出します.正味の通信速度が,従来の通信機に比べて300%以上であることを示せた段階で達成とします.ダウンリンク時には,受信環境のパラメータを記録しておき,環境条件を揃えうえで正味の通信速度を比較します.以下に記録しておく受信環境パラメータを示します.

    1. 気温
    2. 湿度
    3. 大気圧
    4. 最大迎え角
    5. 軌道
    6. 風速,風向


    ミッション4:FSK送信機の実用性を示す

    FSK送信機を用いてHKデータや画像データなどをダウンリンクし,運用終了後,通信時間とダウンリンクデータ総量から正味の通信速度を算出します.正味の通信速度が,従来の通信機に比べて150%以上であることを示せた段階で達成とします.ダウンリンク時には,ミッション3に示した受信環境のパラメータを記録しておき,環境条件を揃えうえで正味の通信速度を比較します.


    ミッション5:リニアトランスポンダの動作実証

    音声データを地球局から145MHz帯で衛星に向けアップリンクし,435MHz帯に変換された音声データを地球局にてダウンリンクできた段階で達成とします.


    ミッション6:カメラシステムの実用性を示す

    カメラの設定(※1)後,画像撮影を行います.撮影画像をダウンリンクし,正常に画像が撮影できたことを確認した段階で達成とします.
    ※1:カメラの設定:解像度(FHD以上),画像形式:JPEG,画像効果(初期設定値)

    エクストラサクセス


    ミッション7:軌道高度約500kmにおける145MHz帯の電界強度マップの作製

    リニアトランスポンダを用いて,衛星周辺の145MHz帯の電界強度を測定します.測定データをダウンリンクし,電界強度マップ(※1)が作成できた段階で達成とします.
    ※1 :電界強度マップ:地球全体を36×18ブロックに分割し,得られた電界強度データを基に,各ブロック上の平均的な電界強度を算出し,カラーマッピングしたもの.