SPROUTトップページ衛星“SPROUT”超小型人工衛星「SPROUT」

SPROUTとはどんな衛星か,開発の流れを含めて紹介します

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超小型人工衛星"SPROUT"

SPROUT

  現在開発中のSPROUTの形状は一辺20[cm]の立法体で,概算質量はおおよそ6.7[kg]です.
  内部構造はバス系(C&DH系・電源系・通信系),工学ミッション系(複合膜面構造物系,姿勢制御決定系・カメラ系),アマチュア無線サービス系,そして構造系からなります.構体の材料にはアルミニウム合金を用い2枚の壁面をトラス構造で連結させることで立法隊を形成し,中央には電池ボックスを配置,各搭載機器は構体に固定し,太陽電池パネルは衛星を覆うように衛星側面に搭載します.

  また,主衛星から分離を行うための分離機構もSPROUTでは独自開発を行います.

SPROUT外観図
SPROUT外観図2
複合膜面展開撮影用カメラ位置
SPROUT外観図
複合膜面展開撮影用カメラ取付位置

C&DH系

  C&DH(Command and Data Handling)系では,地上局からの各種コマンドの受信および各種サブシステムへの命令送信,温度・ジャイロ・地磁気などの衛星情報の収集(データハンドリング)を行います.

電源系

  SPROUTが命令を実行する際,最も重要になるものが電力の状態です.電源系では,衛星側面(6面)に搭載する太陽電池パネルでの発電状況と,各種センサでの消費電力を日々管理し,必要に応じて衛星を充電モードに入れたり,充電を終了することを主に行います.各種センサ・ミッション機器が正常に動作する為の安定した電力供給がここ電源系には求められます.

通信系

  ハウスキーピングデータをCWビーコンで送信したり,C&DHから送られてきたセンシングデータおよびカメラ画像データ等を無線機に伝送・地上へのダウンリンク機能を有するシステムが「通信系」システムです.

  通信系のシステムはSEEDSで使用した既存の技術に加え,伝送速度の向上やデータを地上で解析しやすいようにCWビーコンの制御を行うなど,新規・改良も随所に織り込ませる予定です.

工学ミッション系

  工学ミッション系はインフレータブルチューブの圧力・温度制御,展開制御,デガスに至るまで,複合膜面構造物全般をカバーする「複合膜面構造物系」,複合膜面構造物の展開挙動や地球の画像の撮影を行う「カメラ系」,複合膜面展開前に行うデスピン,地球撮影時にカメラを確実に地球側へ向けるための姿勢決定・制御を主に行う「姿勢決定制御系」の3つから構成されています.

  この3項目の事柄を満足できるシステム設計・開発が「工学ミッション系」システムに求められます.

アウトリーチミッション系

  SPROUTプロジェクトでは,打上げ後一般のアマチュア無線家を対象とした衛星通信サービスの充実を図ることも重要なミッションの一つです(アウトリーチミッション).

  アマチュア無線サービス系はアウトリーチミッションに必要不可欠な「デジトーカ」「デジピータ」「SSTV」「文字パケット」機能など,衛星通信サービスに関するシステム全般を担います.

構造系

  SPROUTは小型副衛星として主衛星と共にロケットに搭載されるため,主衛星に影響を与えないよう,打上げる際に考慮されるべき「打上げ時の環境条件」と「インターフェース条件」を満たすことが要求されます.

  ロケットからのインターフェース条件や剛性・加速度荷重・ランダム振動環境条件などの構造的要素に加え,アウトガス・中空構造のエア抜きなど,材料・材質一つ一つに細心の注意を払わなければなりません.

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信頼性設計

  SEEDS」や「SPROUT」のような小型衛星は,メイン衛星と共にロケットによって宇宙へ輸送されるため,宇宙への輸送が失敗するような影響をロケットやメイン衛星に与えるようなシステムであってはなりません.

  よって,衛星を開発する際は,衛星の開発中からミッションが終了するまでの全ての工程に渡って,衛星自体はもちろんのこと外部にも重大な被害をもたらすことのない設計を行う必要があるのです.

 

  このような課題に対して信頼性設計を行い,ミッションを確実に達成できかつ人的被害などのリスクが低いシステムを構築する必要があります.図は信頼性設計手法の概念図です.概念図を見るとわかるように,ある程度システムを設計した後に,ハザードやリスクを抽出し,さらにそれらのハザードやリスクを摘出したシステムを再度構築し,設計の信頼性を向上させていきます.

 

信頼性設計手法の概念図

 

  PHA(Preliminary Hazard Analysis) ・・・システムに存在するハザードを特定

  ETA(Event Tree Analysis) ・・・各部品がシステムに与える影響を特定

  FTA(Fault Tree Analysis) ・・・故障等が発生する場合の原因を特定

  FMEA(Failure Mode and Effect Analysis) ・・・故障モードを特定

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SPROUT開発の流れ

  ここでは,超小型人工衛星「SPROUT」の開発プロセスを紹介します.

  衛星開発はまず,“どのようなミッションを行う衛星を開発するのか” “それを満足するためにはどのようなシステムが必要なのか” “そのシステムを満足させるためにはどのような機器・サブシステムとなるのだろうか”といった「概念設計」から全てが始まります.それが終了すると,より詳細な(各サブシステムを含め)衛星のシステム,さらにはプロジェクト全体のシステムの設計「システム設計」を行います.その後,設計した通りに開発を行って“BBM(Bread Board Model)を作製して”,放射線や真空・高(低)熱といったような特殊環境下でもうまく動作するのかを調べる「BBM環境試験」を行います.

  BBMでの動作確認が完了した後,今度はいよいよEM(Engineering Model)の「基本設計」「製作」「環境試験」を行います.衛星の各システムの動作確認を行うBBMの段階とは違い,EM製作では初めて寸法・形状・重量等も本番機同様に作製する為,ここで初めて“衛星「SPROUT」”のフォルムが姿を現わします.

  EM製作・環境試験などが一通り終了した後は,いよいよ実際に宇宙空間に打ち上げるFM(Flight Model)の製作です.ここでの作業はいままでのどの工程よりも慎重かつ丁寧に行う必要があることはもう自明のことでしょう.

  以上のような工程を経て,衛星“SPROUT”の開発は行われています.

SPROUT開発の流れ フローチャート

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